今回は、ボディーピアス体験記第一回ということで、ボディーピアスについてと私が初めてピアススタジオでボディーピアスを空けた時のことについて書いていこうと思います。
内容は以下の通りです。
ピアスを空けるならピアッサーかニードルか
ピアスを空けよう! となったらその方法は二択です。少し前は安全ピンと消しゴム、なんていう方法もありましたが、衛生や安全の観点などから推奨しません。
ではピアッサーとニードル、どちらでピアスホールを空ければ良いのか?
ちなみにピアスの穴を空けることをピアッシングといいます。覚えておいて損はないでしょう!
気になる答えですが、実体験を含めて私が出した結論はニードル一択です。
少し専門的な話をすると、巷ではピアスを空ける=ピアッサーという見解が普及してますよね。しかし本来ピアッサーはピアッシングに適した道具ではないのです。むしろ悪手や邪道といっても過言ではありません。
ピアッサーとは、バネの力を利用して無理やりピアスをねじ込む道具です。よし、ピアス空けよう! と思い立ったとしても、ピアスを力づくでねじ込もうとなんてしませんよね。しかし結果的には多数の人がピアッサーを使いその手法を行っているんです。かくいう私も、初めてのピアッシングにはピアッサーを使いました。ニードルなんてものすら知りませんでした。
ピアッサーはバネの力でピアスを無理やりねじ込むため、細胞を押しつぶしながらピアスホールを空けます。ピアスが空けばなんでもいいや! と思われる方もいるかもしれませんが、ピアッサーで空けたピアスホールとニードルで空けたピアスホールの安定するまでの期間(※治癒期間と呼びます)は桁違いに違うんです。
治癒期間(イヤーロブ)
ピアッサー使用時:一年半くらい
ニードル使用時:三か月ほど
上記の数値は私の実体験から算出された数字です。ピアッサーで空けたピアスホールは一年経っても鈍く痛み続け、ピアスを交換する度に微量の出血をしていました。いつ安定するのこれ? と嫌になった時期もありました。
しかしニードルでピアッシングした方のピアスホールは僅か三か月で完治しました。こちらの方が穴が大きいにもかかわらず、です。これにはきちんとした理由があります。
ピアッサーは細胞を叩き潰してピアスホールを空けると説明しましたが、叩き潰された細胞はぐしゃぐしゃになり元通りになるまで時間を要します。叩き割ったガラスの穴の周辺をイメージして頂ければよいと思います。
しかしニードルは鋭利な先端で細胞をくり抜くため、綺麗に穴が空きます。細胞へのダメージは必要最小限で済むというわけですね。ちなみにニードルとはこういうものです。
竹の切り口のようになっている方をブスッと刺して細胞をくり抜くんです。
「え、ピアスはどうやって通すの?」
答えはニードルは中が空洞になっているため、半ばまで刺したところでニードル止めて反対側にピアスをさしこみニードルを引き抜けばピアスが装着されるという仕組みです。この後キャッチを締めれば晴れてピアッシングは完了となります。
「そんな痛くて難しそうなことできないよ!」
それはごもっともです。そこで登場するのが、次にお話しするピアススタジオというピアッシングに特化した専門機関です。
ピアススタジオをすすめる理由
恐らく言葉自体初めて聞くという方も多いと思います。ピアススタジオで働くピアッシングを行う人をピアッサーと呼びます。ちなみに外国ではこのピアッサーは国家資格の仕事です。日本ではまだそうなっていませんが、JPPA(Japan Professional Pircers Association:一般社団法人日本プロフェッショナルピアッサーズ協会)という、日本の各地でピアッサーとして働いておられる方々が立ち上げた団体が存在します。
ピアッサーとはピアスのプロです。麻酔はしませんが、痛みは一瞬です。一か所一分もあればピアッシングが完了します。初めて行った時は驚きの連続でした。まず始めにカウンターにて装着するピアスを決めるのですが、種類が豊富なんです。最初から可愛いピアスがつけられるのは嬉しいですよね。
つけるピアスを決めたら、空ける部位の確認とアフターケアの仕方、会計を済ませてから別室へと案内されます。「完全に治るまでは触らないように」というのを何度も言われました。治りが遅い原因は触りすぎか治ってないのにピアスを交換することなのだそうです。ちなみにピアススタジオの一か所のピアッシングの値段は決して安くはありません。部位にもよりますが、六千から一万円を超えることもあります。しかし高いお金を出すだけの価値はあると私は思います。もし膿んだりしても、連絡をすれば状態を見てもらうことも可能です。
さて、心臓バクバクで向かった別室はベッドが一つあるだけの真っ白で清潔感を絵に描いたような部屋でした。そこにピアッサーさんが待っていて、自己紹介をしてくれます。「今回担当する〇〇です」という具合に。ベッドに座るよう促され、再度空ける部位とつけるピアスの確認をされます。間違いがなければ次にマーキングに移ります。希望がなければ耳の形を見て一番綺麗に見える位置に印をつけてくれます。数多くのピアッシングをされてきたプロなんだなあと実感しました。
鏡でマーキングを確認し、問題がなければ再度ベッドへ。手を洗い、箱から取り出したゴム手袋を装着し、べりっと包装を破いて取り出されたのは主役であるニードル。銀色の台車にはその他にもペンチなどの専用器具が乗せられていて、「手術じゃん」と緊張とビビりが最高潮に達する私。落ち着け自分と深呼吸をしていると、「緊張してる?」と声をかけられました。
「してます」
「ちょっと待とうか?」
「すみません。……もう大丈夫です」
「分かった。じゃあ始めにイヤーロブからいくね。ちょっとちくっとするよ」
体験したことのない様な、鋭さと鈍さが混在した痛み
「はい痛いのはこれで終わりね。キャッチを締めたらおしまい。次ヘリックスいくよ」
無痛
「痛いの終わりね。まだ動かないでね。……はいおしまい。どうだった?」
「耳たぶの方が痛かったです」
「そう、みんな耳たぶの方が痛くないって思いがちだけどそうでもないんだよ。体調とかも大丈夫そうだね。荷物忘れないようにね。お疲れさまでした」
十分するかしないかの内にピアッシングが終了しました。狐に化かされたような、夢心地のような感じでピアススタジオを後にしました。カウンターのスタッフさんは対応がすごくしっかりされていて、ピアッサーさんは親切だったのがとても印象的でした。
けれど一番驚いたのは、ピアスホールに消毒液をかけないことです。代わりになにをかけるのかというと、専用のボトルに入った、霧状の液体を噴射するタイプの生理食塩水です(ピアススタジオにて購入できます)。人の体液に近い液体を毎日患部に噴射することで治癒力を最大に高めていち早い完治を目指そうというもの。肉芽ができてしまっても軽度であればこの方法で治るのだとか。ピアススタジオに行って良かったと心から思いました。やはり専門家にお任せすれば間違いないなと実感しましたね。
そんなわけで、私はもしピアスを空けたい! となったら
声を大にしてピアススタジオをオススメします。
当日の痛みや弊害、治癒期間について
どちらも軽く触れていますが、より詳しくお話しようと思います。
ます痛みについてですが、イヤーロブは形容するならなにか太いものを皮膚に押し込まれているような、鈍痛ですね。声を上げるほどではありませんでした。
次にヘリックス、こちらは軟骨なわけですが、軟骨をくり抜いたならさぞ痛かろうと思いますよね。
しかし痛みはまっっっったく感じませんでした。嘘のような本当の話です。マジです。恐らく緊張のあまり痛みを感じなかったのでしょうね。
ちなみにその日は友達と一緒にピアスを空けたのですが、ヘリックスに二連で空けた友達は「どっちもすごい痛かった」と言っていました。
痛みに関しては人によりけりですね。しかし共通点がありました。それは、
空けた後の耳の痛みと頭痛が半端ないこと。
冬だったのですが、冷たい風が吹く度に耳がジンジンズキズキ痛みました。頭痛も薬を飲むレベルで酷かったです。しかしその痛みも翌日にはだいぶ軽減されており、三日も経てば痛みはなくなっていました。しかしうっかり服に引っ掛けたり手が当たればもう痛い痛い。生活が慎重になりましたね。
触らなければ痛くないのですが、どうしても痛みを避けられない時があります。寝る時です。痛い方を上にしても、寝ている内に寝返りなどで動くせいで朝起きると耳が痛いというのが毎日でした。
そんな感じで痛みと格闘すること三か月。ある時試しにイヤーロブのピアスを触ってみると、なんと痛くない! 魔法かなにかにかけられたのかと本気で思いましたね。ピアッサーの時は一年以上苦しみましたから。
ヘリックスは依然として触れば痛みました。そう、触れば。触らなければ無痛なんです。いつまでこの痛みと格闘しなきゃなんだと悶々とする日々。ひょっとして一生このまま痛いんじゃないかなんて本気で考えた日もありました。しかしピアスを空けてから一年半ほど経ったある日。ふとヘリックスのピアスを触ってみると、痛くない! ひねってもピアスを前後に動かしても痛くない! ついに完治し、ピアスホールが完成したのです。
三か月はあっという間でしたが、一年半は長かったですね。もう軟骨は空けない! と何度も思いましたが、ピアスホールが完成すると次のを空けたくなるんですよね(エンドレス)。
その後二回、同じピアススタジオさんにお世話になるのですがそれについてはまた別の記事で書こうと思います。
ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました。ピアスを空けようか悩んでいる方の参考になれば幸いです。
2022.05.16 夜市千景
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