小説の書き方第二回である今日は、少し座学的なお話をしようと思います。座学なんて退屈と思われるかもしれませんが、題名にもある通り目標を決めるのと決めないのとでは後々になって大きな差が出てきます。ゴールテープが見える状態で走るのと、終わりが見えない状態で走り続けるのとでは気の持ちようも大きく変わってきますし、成長する速さも違います。というわけで今回は、あなたが今後どうなりたいのかやどんな話を書きたいのか、などの目標を決めていきましょう!
・どういう文を書きたいか考えよう
今回話していくのは上記の三つについてです。
では早速一つ目について触れていきましょう!
好きなことを書き出してみよう
小説を書き始めたばかりでいきなり目標を決めようといわれても困ってしまうと思います。なのでまずは、あなたの好きな漫画やアニメ、小説などの好きなことを書き出してみましょう。いくつあっても構いません。多ければ多いほど良いです。それは今後小説を書いていくうえで引き出しにもなってきますからね。書き出すことができたら、その中から一つこれだ!というものを決めましょう。
何故好きなことを書き出させたのかというと、「好き」は創作活動をするうえで根幹となる重要なことだからです。好きでない話を書くことは不可能ではありませんが、最後まで書けるかというとなかなかに厳しいものがあります。小説を書き始めて十年以上経つ私も、好きでない話は最後まで書けません。
好きというだけでやる気が出て書くスピードも上がるものです。
つまり好きなことを書くのが一番の近道となるのです!
頭の中に「これを書きたい!」という具体像がすでに浮かんでいる方はそれを書きましょう。具体的な目標が定まっていない方は、先ほど決めた好きなものを目指してみると良いと思います。
・こんな風にハラハラするような面白い話を書きたい!
・この作品みたいに読者を感動させられるようになりたい!
・この作者さんもみたいに綺麗な文章を書けるようになりたい!
目標は上記のようにできるだけ具体的に決めると良いと思います。現在はお手本となる教材を自ら探し出しているという段階です。教材が決まったら、次の段階に進みましょう!
書くジャンルを決めよう
目指す方向性が決まったら、次はどのジャンルを書くのかを決定しましょう。しかしそんなにがちがちに決める必要はありません。アクション、ファンタジー、ホラー、ミステリーなど数ある中からこれを書いていこうとふんわり決めるだけで構いません。
二兎を追う者は一兎をも得ず
ということわざの通り、始めから二つ以上のものを追い求めても上手くいかないものです。ある程度の実力がつくまではこれと決めた一つのものを極めていくのが堅実だと思います。
どういう文を書きたいか考えよう
最後に決めることは、あなたが目指す文です。文は人の数だけ種類があります。似ていることはあっても同じ文章を書く人はまずいません(例外:ゴーストライターなど)。色々な話を書いていく内に自ずと自分らしい文章が形成されていきますが、努力する方向性や進歩しているという実感を得るためにもも、目標とする文体を決めておくと良いでしょう。それに近付いていると感じられるだけでやる気にもつながります。
ではある一文をお題として、どんな文体があるのかを見ていきましょう!
「君の夢はなに?」 という短文をお題に設定し、二つの異なる文体で言い換えてみます。
「君の将来の展望を聞かせてくれ」
「君は大人になったら何になりたいの?」
最初の文は、二字の単語を意図的に使用しています。硬派もしくは知的な印象を受けるのではないでしょうか。人によっては難しいと捉えられたりもするかもしれませんね。この文体の長所と短所は以下の通りです。
長所
・知的な雰囲気
・文学っぽい
・単語を多用することで長い文章を短くできる
短所
・人によっては難しい、読みにくいと感じ敬遠されることも
・読むのに少し時間を要する
・言いたいことが伝わらない可能性がある
二つ目の文は、お題の文をより伝わりやすくするために簡単な表現へとかみ砕いています。誰が見ても分かる読みやすい文章といえますね。この文体の長所と短所は以下の通りです。
長所
・誰が読んでも分かる
・読みやすい
・柔らかい雰囲気
短所
・簡単すぎて物足りない
・無個性(誰にでも書ける)
どちらも一長一短ですね。どちらにすれば良いか悩んだら、自分の好きな方または書きやすそうな方を選びましょう。私のおすすめは二つ目です。一つ目みたいに書きたいとなると必然的に語彙力を伸ばす必要があります。同じ意味合いの違う単語をいくつも知っていなければなりません。勉強の段階で嫌になり挫折してしまうよりは、難易度が低い方から始めてみて慣れてきたら目指す方向性を変える、でも全く問題ないと思います。
さて、ここまで決めておいた方が良い目標について見てきました。もちろん必ずしもこれに従う必要はありません。あなたのやりやすいやり方でやるのが一番です。しかし距離を定めずに泳ぎ続けるのと、具体的に何メートルと決めて泳ぐのとでは伸び方が大きく変わってくると思います。
小説を書くという行為は常に手探りの状態です。なんでこれをやっているのか? 何故こうしているのか? という状態に陥り前に進めなくなるのを避けるためにも、初期の段階で目標を定めておくことをおすすめします。
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう!
2022.05.10 夜市千景
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